アクセシビリティとは
一般にアクセシビリティというと、「近づきやすさ」、「利用のしやすさ」を意味します。
転じて、製品やサービスの利用しやすさという意味でも使われます。
世の中のあらゆるものに対して使われる概念で、年齢・性別・環境・状況・障がいに関わらず、「誰もが平等に利用しやすい状態」を指します。
ウェブアクセシビリティとは
ウェブにおけるアクセシビリティがウェブアクセシビリティです。
ウェブサイトにある情報の取得やサービスの利用しやすさ、ボタンやメニューなどのUI(機能)の使いやすさを意味します。
全ての利用者が、それぞれ異なるデバイスを使い、さまざまな状況でWebを使うようになった現代において、ウェブアクセシビリティは必要不可欠な品質となってきました。
これまでWeb業界的には、ウェブアクセシビリティの実装は様々な理由で優先度を下げてきた経緯がありました。ですが2023年3月に障害者差別解消法が改正されました。
これまでは事業者における障がいのある人への合理的配慮の提供は「努力義務」とされてきましたが、2024年4月1日からは「義務化」されました。
義務化されるのはあくまで「合理的配慮」の部分で、「環境の整備」は努力義務となりますので、環境の整備に含まれるウェブアクセシビリティ対応を怠ったからといってすぐに法に抵触するわけではありません。
ですが、サイトのアクセシビリティについて、利用者からの改善依頼があれば(クリアできるできないは別として)しっかりと話を聞き、措置を講じる(合理的配慮)義務は出てきます。
また、ヨーロッパではついに2025年6月に「欧州アクセシビリティ法(European Accessibility Act、EAA)」が施行される予定です。
この法律は、オンラインショップを含むECサイトにも適用され、アクセシビリティに配慮しないウェブサイトに対して罰則が科される可能性があります。
この流れは近い将来必ず日本にもやってくると言われています。
ですのでサイトを作成する際は可能な限りアクセシビリティに対応しておく事が賢明といえます。
リクトウェブアクセシビリティ(適合レベル)
株式会社リクトでは、高齢者や障がい者の方々を含む幅広いお客さまにウェブサイトをご利用いただけるよう、2023年よりWCAG 2.1のレベルA & AAの品質基準に対応するウェブサイトを目標としてサイトを作成しています。
社内一丸となって、日々ウェブアクセシビリティの学習・実装に取り組んでいます。
当サイトもトップページについては、すでに以下のWCAG 2.1のレベルA & AAの品質基準に準拠しています。
WCAG 2.1 達成基準 (レベルA & AA)
1.知覚可能 | |||
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1.1 代替テキスト | |||
1.1.1 非テキストコンテンツ | A | 画像などの非テキストコンテンツにより伝達される情報を、テキストによる代替を用いる | 非テキストコンテンツ:達成基準 1.1.1 を理解する |
1.2 時間依存メディア | |||
1.2.1 音声だけ及び映像だけ(収録済み) | A | 収録済の音声しか含まないコンテンツ及び収録済の映像しか含まないコンテンツの伝える情報を、すべての利用者が入手できるようにすることである。 | 達成基準 1.2.1 を理解する | WCAG 2.1解説書 |
1.2.2 キャプション(収録済み) | A | ろう又は難聴の利用者が、同期したメディアによる提示を見られるようにすることである。キャプションは、音声トラックを通じて利用可能なコンテンツの一部を提供する。 | 達成基準 1.2.2 を理解する | WCAG 2.1解説書 |
1.2.3 音声解説又はメディアに対する代替コンテンツ | A | 全盲又は視覚障害のある利用者に、同期したメディアによる提示にある視覚的な情報へのアクセスを提供すること | 達成基準 1.2.3 を理解する | WCAG 2.0解説書 |
1.2.4 キャプション(ライブ) | AA | ろう又は難聴の利用者がリアルタイムの提示を見られるようにすることである。キャプションは、音声トラックを通じて利用可能なコンテンツの一部を提供する。 | キャプション (ライブ) – : – 達成基準 1.2.4 を理解する |
1.2.5 音声解説(収録済み) | AA | 全盲又は視覚障害のある利用者に、同期したメディアによる提示にある視覚的な情報へのアクセスを提供すること | 達成基準 1.2.5 を理解する | WCAG 2.0解説書 |
1.3 適応可能 | |||
1.3.1 情報及び関係性 | A | 視覚的又は聴覚的な体裁によって暗に伝えられている情報及び関係性を、その提示形式が変わったときにも保つようにすること | 達成基準 1.3.1 を理解する | WCAG 2.0解説書 |
1.3.2 意味のある順序 | A | コンテンツの意味を理解するのに必要な音声読み上げの順序を保ちながら、ユーザエージェントがコンテンツの代替表現を提供できるようにすること | 意味のある順序 達成基準 1.3.2 を理解する |
1.3.3 感覚的な特徴 | A | 形又は大きさを知覚できない、もしくは空間的な位置又は方向に関する情報を利用できない場合でも、すべての利用者がコンテンツを利用するための指示にアクセスできるようにすること | 感覚的な特徴 達成基準 1.3.3 を理解する |
1.3.4 表示の向きを固定しない | AA | コンテンツは、その表示及び操作を、縦向き (portrait) 又は横向き (landscape) などの単一の向きに制限しない。ただし、その表示の向きが必要不可欠な場合は例外とする。 | 達成基準 1.3.4: 表示の向きを理解する |
1.3.5 入力目的を特定できる | AA | 利用者の情報を集める入力フィールドのそれぞれの目的は、次の場合にプログラムによる解釈が可能である | 達成基準 1.3.5: 入力目的の特定を理解する |
1.4 判別可能 | |||
1.4.1 色の使用 | A | 色の違いによって伝えられている情報、言い換えれば、それぞれの色には割り当てられた意味があり、その色を使うことによって伝えている情報に、すべての利用者がアクセスできるようにすること | 色の使用 達成基準 1.4.1 を理解する |
1.4.2 音声の制御 (非干渉) | A | 利用者が背景音の再生をオフにできることが重要 | 達成基準 1.4.2 を理解する | WCAG 2.0解説書 |
1.4.3 コントラスト(最低限レベル) | A | テキストとその背景との間に十分なコントラストを提供すること( 4.5:1 のコントラスト比) | 達成基準 1.4.3 を理解する | WCAG 2.0解説書 |
1.4.4 テキストのサイズ変更 | A | キャプション及び文字画像を除き、テキストは、コンテンツ又は機能を損なうことなく、支援技術なしで 200% までサイズ変更できる。 | 達成基準 1.4.4 を理解する | WCAG 2.0解説書 |
1.4.5 文字画像 | A | 使用している技術で意図した視覚的提示が可能である場合、文字画像ではなくテキストが情報伝達に用いられている | 達成基準 1.4.5 を理解する | WCAG 2.0解説書 |
1.4.10: リフローを理解する | AA | スマホで見たときに横320pxで見て横スクロールなくページを閲覧できる。(コンテンツ内のテーブルなどは除く) | 達成基準 1.4.10: リフローを理解する |
1.4.11: 非テキストのコントラスト | AA | UI(ボタンとか)や、グラフィック(画像)が隣接した色との間で少なくとも 3:1 のコントラスト比がある。 | 達成基準 1.4.11: 非テキストのコントラストを理解する |
1.4.12: テキストの間隔 | AA | CSSのfont-sizeやline-heightなどを上書きされても、コンテンツが読めて、機能が使えるようにする。 | 達成基準 1.4.12: テキストの間隔を理解する |
1.4.13: ホバー又はフォーカスで表示されるコンテンツ | AA | CSSのfont-sizeやline-heightなどを上書きされても、コンテンツが読めて、機能が使えるようにする。 | 達成基準 1.4.13: ホバー又はフォーカスで表示されるコンテンツを理解する |
2.操作可能 | |||
2.1 キーボード操作可能 | |||
2.1.1 キーボード | A | コンテンツのすべての機能は、個々のキーストロークに特定のタイミングを要することなく、キーボードインタフェースを通じて操作可能 | 達成基準 2.1.1 を理解する | WCAG 2.0解説書 |
2.1.2 キーボードトラップなし (非干渉) | A | キーボードインタフェースを用いてキーボードフォーカスをそのウェブページのあるコンポーネントに移動できる場合、キーボードインタフェースだけを用いてそのコンポーネントからフォーカスを外すことが可能である | キーボードトラップなし – : – 達成基準 2.1.2 を理解する |
2.2 十分な時間 | |||
2.2.1 タイミング調整可能 | A | 障害のある利用者がウェブコンテンツを操作するのに十分な時間の提供を、可能な限り保証すること | 達成基準 2.2.1 を理解する | WCAG 2.0解説書 |
2.2.2 一時停止,停止及び非表示(非干渉) | A | 利用者がウェブページとやりとりしている間、他の事に注意をそらされないようにすること | 達成基準 2.2.2 を理解する | WCAG 2.0解説書 |
2.3 発作の防止 | |||
2.3.1 3回の閃光,又はしきい値以下 (非干渉) | A | 利用者が光感受性による発作を引き起こすことなく、サイト上のすべてのコンテンツを利用できるようにすること | タイミング非依存:達成基準 2.2.3 を理解する |
2.4 ナビゲーション可能 | |||
2.4.1 ブロックスキップ | A | 複数のウェブページ上で繰り返されているコンテンツのブロックをスキップするメカニズムが利用できる。 | 達成基準 2.4.1: ブロックスキップを理解する |
2.4.2 ページタイトル | A | 主題又は目的を説明したタイトルがある。 | 達成基準 2.4.2: ページタイトルを理解する |
2.4.3 フォーカス順序 | A | 利用者がコンテンツ内を一つずつ順を追いながら行き来している際に、キーボードにより操作可能な順序でコンテンツの意味に添って、情報と出会うようにすることである。 | 達成基準 2.4.3: フォーカス順序を理解する |
2.4.4 リンクの目的(コンテキスト内) | A | 利用者がリンクを辿りたいかどうか決めることができるように、各リンクの目的を理解することを助けることである。 | 達成基準 2.4.4: リンクの目的 (コンテキスト内) を理解する |
2.4.5 複数の手段 | A | ウェブページ一式の中で、あるウェブページを見つける複数の手段が利用できる。 | 達成基準 2.4.5: 複数の手段を理解する |
2.4.6 見出し及びラベル | A | 見出し及びラベルは、主題又は目的を説明している | 達成基準 2.4.6: 見出し及びラベルを理解する |
2.4.7 フォーカスの可視化 | A | キーボード操作が可能なあらゆるユーザインタフェースには、フォーカスインジケータが見える操作モードがある。 | 達成基準 2.4.7: フォーカスの可視化を理解する |
3.理解可能 | |||
3.1 読みやすさ | |||
3.1.1 ページの言語 | A | それぞれのウェブページのデフォルトの自然言語がどの言語であるか、プログラムによる解釈が可能である。 | 達成基準 3.1.1: ページの言語を理解する |
3.1.2 一部分の言語 | A | コンテンツの一節、又は語句それぞれの自然言語がどの言語であるか、プログラムによる解釈が可能である。ただし、固有名詞、技術用語、言語が不明な語句、及びすぐ前後にあるテキストの言語の一部になっている単語又は語句は除く。 | 達成基準 3.1.2: 一部分の言語を理解する |
3.2 予測可能 | |||
3.2.1 フォーカス時 | A | フォーカスを受け取ったときにイベントを起動することのできるすべてのコンポーネントは、コンテキストを変化させてはならない。 | 達成基準 3.2.1: フォーカス時を理解する |
3.2.2 入力時 | A | ユーザインタフェース コンポーネント の設定を変更することが、コンテキストの変化を自動的に引き起こさない。ただし、利用者が使用する前にその挙動を知らせてある場合を除く。 | 達成基準 3.2.2: 入力時を理解する |
3.2.3 一貫したナビゲーション | A | ウェブページ一式の中にある複数のウェブページ上で繰り返されているナビゲーションのメカニズムは、繰り返されるたびに相対的に同じ順序で出現する。 | 達成基準 3.2.3: 一貫したナビゲーションを理解する |
3.2.4 一貫した識別性 | A | ウェブページ一式の中で同じ機能を有するコンポーネントは、一貫して識別できる。 | 達成基準 3.2.4: 一貫した識別性を理解する |
3.3 入力支援 | |||
3.3.1 エラーの特定 | A | 入力エラーが自動的に検出された場合は、エラーとなっている箇所が特定され、そのエラーが利用者にテキストで説明される。 | 達成基準 3.3.1: エラーの特定を理解する |
3.3.2 ラベル又は説明 | A | コンテンツが利用者の入力を要求する場合は、ラベル又は説明文が提供されている。 | 達成基準 3.3.2: ラベル又は説明を理解する |
3.3.3 エラー修正の提案 | A | 入力エラーが自動的に検出され、修正方法を提案できる場合、その提案が利用者に提示される。 | 達成基準 3.3.3: エラー修正の提案を理解する |
3.3.4 エラー回避(法的,金融及びデータ) | A | 障害のある利用者が、元の状態に戻すことのできない動作を実行するときのミスによる深刻な結果を回避するのを助けること。 | 達成基準 3.3.4: 誤り防止 (法的、金融、データ) を理解する |
4 堅ろう(牢)(Robust) | |||
4.1 互換性 | |||
4.1.1 構文解析 | A | マークアップ言語を用いて実装されているコンテンツにおいては、要素には完全な開始タグ及び終了タグがあり、要素は仕様に準じて入れ子になっていて、要素には重複した属性がなく、どのIDも一意的である。 | 達成基準 4.1.1: 構文解析を理解する |
4.1.2 名前(name),役割(role)及び値(value) | A | すべてのユーザインタフェース コンポーネント (フォームを構成する要素、リンク、スクリプトが生成するコンポーネントを含むがこれに限定されない) では、名前 (name) 及び役割 (role) は、プログラムによる解釈が可能である。又、状態、プロパティ、利用者が設定可能な値はプログラムによる設定が可能である。そして、支援技術を含むユーザエージェントが、これらの項目に対する変更通知を利用できる。 | 達成基準 4.1.2: 名前 (name)・役割 (role)・値 (value) を理解する |
達成基準 4.1.3: ステータスメッセージを理解する | A | ユーザーの操作やシステムの状態変化に伴い、画面上に表示されるメッセージ(ステータスメッセージ)を、スクリーンリーダーなどの支援技術が適切に認識し、ユーザーに伝える | 達成基準 4.1.3: ステータスメッセージを理解する |
今後の取り組み
現在、PDFや動画・音声ファイル、CMS生成による個別詳細ページなど、諸事情により準拠から除外したコンテンツなども、今後は準拠できる制作フローの構築に努めていきます。